1年ぼうず

眞野 義行

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母の日

 今日は母の日でした。私は、母が存命中は、本当に親孝行らしきものをしませんでした。結婚後は、妻が私の鹿児島に住む母に、毎年カーネーションを贈っていました。

失って、初めて気づく、ありがたさ

 昔からよく言われていることですが、人というのは、どうしてその状況にならないと、真実が見えてこないのでしょうか。私には、親に対して後悔することが山のようにあって、「あぁ、どうしてあのとき…」という思いが、時々何かの弾みでバンッとフラッシュバックします。

 親は大切にしなければなりません。

 もしも今、自分の親の介護で疲れ切っている方がいらしたら、カーネーションをテーブルに置かれて眺められてはいかがでしょうか。親の介護は、きれい事ではいかないことの方が多いのですが、自分からきれい事を作ってみることも必要です。そのカーネーションは、もちろん母親のためではありますが、自分自身のためでもあります。

 さて、このぼうずを中高生が読んでいるなら、たった1本のカーネーションでもいいので、きちんと母親にあげましょう。もし母親がいない人が読んでいるなら、父の日だけでなく、母の日にも父親にあげてみましょう。「父の日」「母の日」は、親に感謝する日の象徴なのですから。

 私たち日本人は、感謝の言葉を口にするが苦手ですが、1本のカーネーションが代弁してくれます。

 ところで「母の日」に赤いカーネーションを贈るのは、アメリカ人のアンナ・ジャービスという女性が始めた運動が元になっているそうです。自分を苦労して育ててくれた母親を敬愛し、その母を敬う気持ちを後世にもつなげていきたいと、「母親のための祝日」を設ける運動を始めました。その運動の象徴として、彼女の母が生前に好きだった「白いカーネーション」を供えるようにしたことから、「鬼籍に入(い)られた母親」には白いカーネーション、それに対して、「生きていらっしゃる母親」には赤いカーネーションを贈ることになったそうです。

 ※「鬼籍」とは、仏教における「あの世」の支配者の閻魔大王が持っている死者の記録帳のことです。また、「宗教的な考え」の薄い日本人ならではですが、亡くなられた方の行く先を「天国」というのは、キリスト教的用語なので、実はちょっと違います。仏教を信じている方々にとって正しい表現は「極楽」や「浄土」です。これ以上の詳しい説明は、私も混乱してくるので控えます。

 余談になりますが、5月5日のこどもの日も、国民の祝日に関する法律第2条によると「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝すること」が趣旨の祝日だそうです。