1年ぼうず

眞野 義行

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復活の日
1964年8月、今から56年前に作家 小松左京 氏により出版されたSF超大作です。

小松左京と言えば、他に代表的なものに「日本沈没」もあります。

復活の日」は、未知のウイルスによって人類が壊滅的な打撃を受けるという物語で、政治・社会的な背景は56年前のものですが、そこに書かれている内容は、半世紀前のものとは思えません。

今、読まれている方の中にはもうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この1964年といえば、そうです、日本初の東京オリンピックが開かれた年です。

未知のウイルスは、同じ東京オリンピックの年に、56年前は物語の世界で発生し、今年は現実世界に発生してしまったのです。

復活の日」の中の、ある教授の話の一節(一部略)を紹介します。

『このウイルスが、いったいどこからもたらされたのかは知りません。しかし人類の科学は(これだけの高みにのぼりつめ、自動大量生産を成しとげ、星にまで届くロケットを打ち上げ、一挙に全人類を破滅させるにたる恐るべき武器を作り上げた人類の科学は)まだウイルスのメカニズムとそれに対する特効薬さえ見つけていなかったのであります。』

56年前の小松氏の警告が現代の世界に届いていたら、と思わずにはいられません。

小松左京は、56年前にタイムスリップして世界を救おうとした現代人だったのかも、と

JIN」ばりの事を考えてしまいました。

小松氏の作品には「人としてどうあるべきか」という宗教的・科学的なメッセージが込められたものが複数あります。

SF好きだった私は、学生時代に原作も読み、1980年に映画化されたものも劇場で見ました。そしてこの2日間で再び読みました。
途中、科学的・哲学的な話も出てきますが、一読の価値はあると思います。

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