1年ぼうず

眞野 義行

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 TEL:090-9364-7172

<マスク依存症>
けさの登校指導。教頭先生が傘を差して登場。
「日傘じゃないですが、さしていると全然違いますよ」
おぉ、日傘男子だ!
私は日よけクリームを塗っていますが、顔と腕がヒリヒリしてきたので、対策を考えないと…

さてこの暑さ、さすがに今週はマスクなし登校の小中学生が出てきましたが、依然としてほぼ全員がマスク着用登校。

校長先生、教頭先生、そして私の3人はマスクを外して登校指導をしているし、学校でも登下校時はマスクを外すように促していますが、ほとんど誰もはずそうとしません。

さて環境省厚労省は、6月に「マスク、はずしてよい指針」を出しました。
皆さんの中にはご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、私は最初にこのチラシを見た瞬間、小学生対象のものかと思いました。

「屋外ではマスクを外しましょう」

国がこんなことまで指針を出さなければ、日本人はマスクをはずせないのでしょうか。
こうまでしないと、日本人は自分で決められないのでしょうか。

ところで、2009年新型インフルエンザの世界的流行にともない、花粉症以外でもマスクを着用する日本人が急増しました。

私が中学の教員だった2010年に、花粉症を含めた身体的な理由がないまま、ずっとマスクをつけている女子が数人出現しました。

理由を尋ねると

①はずして顔を全部出すことが恥ずかしい
②つけていると、なんとなく安心できる

これは、マスクが「自分という人間を社会の様々なストレスから守ってくれるもの」として認識されているのだと思いました。

ほどなくして当時のマスコミも「マスク依存症」という言葉を使い始めました。

その特集番組を見た記憶があり、私は学校で話題にしました。

さて今回のマスク着用については、もちろん感染が心配な方もいらっしゃるでしょうが、特に子どもたちの一番の理由は「みんながはずさないから」です。

大人の場合は「マスクを外したときのギャップが心配」。

子どもたちにとって、はたしてこのマスク依存社会がプラスになるのでしょうか。

もともとコミュニケーション下手の日本社会で育った子どもたちが、マスクで自分を隠しながら生きていくことが日常になったら、ますます世界から孤立していくことが心配でなりません。

顔全体で喜びや悲しみを表現することは、特に幼少期の子どもたちにとって、とても大切なことです。

先週のバレーボール教室でも、保護者の皆さんが「熱中症が心配だからマスクを外しましょう」と言っても、最初はお互い顔を見合わせるだけで、はずそうとしませんでした。
別の保護者の方の「熱中症の方が怖いよ」という言葉で、ようやくみんなはずして活動を始めました。

重いランドセルを背負いながら炎天下を20分以上歩いてくる小学生。

命を守るはずのマスクは、今や命を脅かすマスクになっています。

熱中症で救急搬送される人が増えても、不幸にも亡くなる方がいても、命がけでマスク着用。

大人がはずさなければ、子どもは、はずしません。