1年ぼうず

眞野 義行

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 TEL:090-9364-7172

【伝統を守りつつも、様々な世代、地域、国の境を越えて人々が集う場所として成立】
2018年にわずか326人になってしまった竹田地区。
2014年に136年の歴史の幕を閉じた竹田小学校跡地利用は、竹田地区全戸が加入している竹田文化共栄会には、村の存亡をかけた大きな問題でした。
議論の中では、老人介護施設の声もありましたが、過疎化が深刻な地域だからこそ子どもたちの声が響く施設を作るべきだ、という考えにまとまったとのこと。
私たちの視察当日も、坂井市内の小学1年生120人が校外学習として利用しており、かわいらしい声で「こんにちは」とあいさつをしてくれました。
施設内の食堂には、調理にあたっていらっしゃるおばぁちゃんたちの笑顔一杯の写真が貼ってありました。
私は、施設内を案内していただいているときに、竹田文化共栄会代表理事の大川さんにお伺いしました。
「大変恐縮ですが、こういった土地柄で、なぜこのような新しいことに挑戦しようという発想が生まれたのですか?
「私の父もそうでしたが、自分たちで自分たちの生活を切り開いていくというのが、竹田村の伝統です。ところで、竹田村伝統の踊りが、竹田小学校閉校と同時に7年前から途絶えてしまっていました。でも来月、統合された学校で復活します。私たちの仲間が学校に行って教えています。これが続けば、800年の歴史と伝統が継承されます。」
満面の笑みでこう語ってくれました。
自分たちの活躍の場所を作り、生きがいをつくり出していらっしゃることは、結果的に老人介護施設をつくるよりもはるかに効果のあがる跡地利用になっている、と強く感じました。
山深い里にあるこの施設が、伝統を守りつつも、様々な世代、地域、国の境を越えて人々が集う場所として成立していることに、本当に感動を覚えました。