1年ぼうず

眞野 義行

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<3.11 心のかさぶた>
明日は成田市内中学校の卒業式。

成田中学校に祝電を届けに行きました。

準備は完了し、生徒会長の答辞の練習中。

懐かしい。

2年連続でのコロナ禍での卒業式。

でもこの卒業式を、平和な人間の感覚で「かわいそう」と言ってはいけません。

目の前にある事実を受け入れて次に進むすべを教えることが教育だし、大人の責務です。

以前にも言いましたが、将来こども達が大人になったとき「私たちはかわいそうな世代」だったと思わせてはいけないのです。

先生方は、今、できる範囲で最高の卒業式を上げさせるために、一所懸命準備していました。誰も「かわいそう」だなんて思っていません。

答辞の内容だって前向きなもの。

「子どもは本来強い生き物だ。弱くしているのは、大人だ」

と思わずにはいられない内容でした。

ところで今日は、あの東日本大震災が起きた日。

10年前、私は印西市の中学校に勤務していました。

午前中の卒業式を終え、後片付けをし、体育館で部活動。

2時46分、大地震発生。

その学校の体育館は横の扉が前回し、そのまま校庭につながっている作りになっていたので、すぐに校庭に誘導。収まってからも余震の恐れがあったので、校庭で待機。

案の定大きな余震。揺れるのではなく、地面が動くという感覚を初めて経験しました。

携帯はつながらず、家族の安否確認は不可能。

東京に勤めている保護者が多い学校で、保護者と連絡の取れない生徒がほとんど。

私自身の家族とも連絡が取れないまま、生徒と一緒に体育館で待機。

焦燥。

あれから10年。

今、「あの時は大変だったよね」と言えるのは、本当の被災者ではないからかもしれません。

本当に被災した人の気持ちは、その人にしかわかりません。

しかも同じ被災した人でも、状況やその人の感性によって受け止め方は異なります。

親を失った子ども、子どもを失った親、きょうだいを失ったきょうだい。

全部違います。

忘れなければ前に進めない人もいるだろうし、忘れないことを原動力に前進する人もい

ます。

そして時が止まったままの人もいます。

「時の流れ」が問題を解決することはありますが、日常の何気ない瞬間にフラッシュバックすることもあります。

心のかさぶたは、想像以上に剥がれやすいのです。

こども達にとって、このコロナが、何かの拍子で剥がれてしまう「心のかさぶた」にならないように、大人があえて厳しく育てていく部分は必要だと思います。

まとまりのない話になってしまい、すみません。

色々な感情がわきあがっててしまったので。

さぁ、明日は最高の卒業式になりますよ!

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