1年ぼうず

眞野 義行

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<信念>

 最初に言わせていただきます。
私は自分の信念に基づいて、私のすべきことをします。
 この意味がわからない方はすみませんが、流してください。
 さて今日は、私が以前勤務していた中学校の時に交流のあった養護施設を訪問しました。
 その学園長さんと中心になって働いていらっしゃる先生は、9年前からのおつき合いです。今も卒業生のことでつながっています。
 この学園は、親の虐待やネグレクトなど、親とは一緒に住めなくなったこどもたちを預かる施設です。心の深い闇を抱えているこどもたちです。児童相談所の要請を受けて、子どもたちを預かります。
 特に中学生という思春期を迎える子どもたちを「どのように社会に送り出すか」という点で、学園さんとはいつも緊密な関係を築いていました。
 ですから毎年必ず、情報交換とともに学園の子どもたちと夕食をともにします。
 学園の子どもたちはとても喜びます。私が教員だったときもこの訪問を楽しみにしていました。
 そして、この子どもたちを応援してあげたいと思っていました。
 しかし私は親にはなれません。「かわいそう」とか「がんばって」などという言葉は、それこそ無意味です。
 もし本気で同情するなら里親になればいいのです。私にはその覚悟はありません。
 だから私は、そういった子どもたちと「かわいそう」という観点で接したことは一度もありません。
 私は、むしろ厳しく接していました。
 現実の社会は、それほど甘くはありません。
 弱者に厳しい社会を何とかすることは大切です。しかし私も学園の先生方も、現実に目の前にいるこの子たちがこの社会でどう生き抜いていくかを考えています。
 だって社会は待ってくれませんから。
 実はこのタイミングで先週、学園出身の女の子から連続で泣きながらの電話が入っています。親から引き取りを拒絶されている子です。
 詳細はもちろん書きませんが、やっぱり私は同じようにビシビシ説教します。そうすると不思議に彼女は落ち着きます。
 ただし私は、この私のやり方が正しいなんて1度も思ったことはありません。
 表現として適切ではありませんが、これは私の山の登り方です。頂上を目指すルートの設定は人ぞれぞれです。
 ただ私は「18歳になったら学園を出て自立なければならない」という人生のカウントダウンを持たされている彼らを、3年間という期間の中でいかに鍛えるか、それだけでした。
 最後に石井学園長さんの言葉を紹介します。
私の「色々な場所で様々な子どもたちの実情を聞くと、正直、優先順位がわからなくなります」という言葉に対する答えです。
『私たちの施設に預けられる子どもたちは、表現が不適切かもしれませんが、まだ幸せです。だって関わってくれる大人がいますから。そうではなくて「普通」の中で埋もれてしまっていて支援を必要としている子どもたちを優先してください。』