<原爆投下の日>
今日、8月6日は、74年前に広島に原爆を落とされた日です。原爆投下の悲惨さは言うまでもありません。
ところで、4年前私が玉造中で勤務していた時がちょうど戦後70年で、マスコミでは多くの特集が組まれていました。
その時中学校で使っていた英語の教科書に、東京大空襲を題材にした物語がありました。「かわいそうな象」と言います。
東京大空襲とは、原爆投下の5ヶ月前、3月10日に米軍によって行われた都心部の爆撃のことです。
その大空襲の前に、上野動物園で飼育されている猛獣たちが、空襲によって壊れたおりから逃げ出すと危険なので、先に殺してしまうという実話です。多少、事実と異なる部分がありますが、動物たちが人間の都合で、毒殺や薬殺によって命を絶たれたという事実は変わりません。
授業の一環として、この大空襲についてビデオを観たり、資料を読んだりして英語学習の前に、戦争について教えました。
この東京大空襲の悲惨さは、あまり報道されませんが、アメリカの用意周到な、そして原爆以上に非道な殺戮でした。数字を紹介します。
広島原爆による死者 人口35万人中 約14万人(一瞬で成田市は消滅)。
投下後5年で被爆による死者を合わせると約20万人。
長崎原爆による死者 人口約24万人中 約7万5千人。
投下後5年で被爆による死者を合わせると約14万人。
東京大空襲 約2時間30分で 10万人以上。
成田市は人口約13万人。わずか2時間30分で成田市がほぼなくなるという規模だったのです。
原爆だけでなく、いかに無差別・無慈悲な殺戮がおこなわれたかがわかります。
戦争はダメです。いかなる理由があっても。
当時の生徒たちは、授業後、本当に真剣に戦争について考えていました。真剣に伝えれば、きちんと伝わる。伝える努力を怠ってはいけません。