<取り越し苦労で終わるなら>
26日の萩生田文科相の「政府が検討している9月入学」についての発言。
「残された時間の中でしっかり授業ができて、学校行事もある程度消化できるということであれば直ちに結論づけるということではない」
「今後感染の第2波などでさらに休校が長期化せざるを得ない事態になれば『9月入学』という言葉はともかくとして、子どもたちの学びを保障するための大胆な決断も選択肢に入れておかないといけない」
授業開始日、学校行事(運動会・体育祭、合唱祭、修学旅行など)は学校ごとに延期・中止がバラバラで、同じ地域の公立学校でも、昨日紹介したように教育課程にあれだけの差があるのです。
「しっかりと授業や学校行事が実施できる」わけないじゃないですか。
しかも恐ろしいのは「第2波が襲ってくれば、大胆な決断をする選択肢がある」という発言。
本当にやめてほしい。入試直前に何をする気だ?
再び、昨年11月の入試直前の大学入試制度改革延期と同じ愚を犯すつもりでしょうか?
そして私が最も心配していること。
以前も言いましたが、冬に第2波が襲ってきたときのこと。
現在、北九州市の中学校では生徒の1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたため30日から臨時休校にしていて、教職員全員が出勤を取りやめているということです。再開の時期は今のところ未定。
それが入試前に起きたら、どうするのですか。だってその学校の生徒は、最低2週間自宅待機になって、受験に行けないのですから。
しかも感染した生徒は、同級生たちに重大な影響を与えたことに、責任を感じるに決まっているじゃないですか。その子は生きていられるのか?
他の受験生や保護者は、その時どう思いますか?
中3・高3は、やり直しのきく次の1年間がないのですよ。
現状、同じ地域の公立学校でこれだけの格差が出ている以上、1月や2月の入試など無理なのです。コロナの正体がもう少しわかるまで、教育にゆっくりと時間をかけるべきなのです。
私が騒いでいる心配が取り越し苦労で終れば、こんなに幸いのことはありません。