1年ぼうず

眞野 義行

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<コロナは人の心に感染しない>

「おもてなし英語」のナレーションをお願いしている、プロ朗読師の安永暁海さんと電話でお話ししました。

「おもてなし英語第2弾」と今後の活動についての確認でしたが、話題は「Jin」に。

安永さんも「号泣組」で、しかもSFや歴史小説がお好き。当然お話が弾みました。

読書の持つ可能性、特に想像力を育むということについては、色々なお考えがあり、さすがプロの朗読師さん、と思わずにはいられない、貴重なお話しがたくさんありました。

言葉は言霊(ことだま)」

言葉に魂を乗せて相手に伝えることの大切さについてのお話しも、とても素敵でした。

今、社会全体が閉塞感で息苦しくなっており、家庭内暴力や夫婦げんかの増加が世界的に報告されている中、安永家ではあえて大きな声で「おはよう」「いってらっしゃい」のあいさつを励行されています。

意見の食い違いは当然起きるけれども、自分が悪いと思ったときは、一旦冷静になってからきちんと謝る!

さてその安永さんとのお話の要点はこのようなことです。

『空には五月晴れの青い空、花々は咲き誇り、新緑が芽吹き、そよ風にも匂いを感じるこの季節。ウイルスにおびえながらのマスク越しでは深呼吸もできない状態だけど、コロナに関係なく、季節は確実に夏に向かっている。
季節の移り変わりを感じているどころではない、という方もいらっしゃるだろうけど、見る角度を変えれば、見えるものがある。
視点を変えることで、同じ現象でも全く見え方が異なる。
それはある意味、パラレルワールドで生活していることと同じ。
ポジティブ思考の人と、ネガティブ思考では、すべてのものが、異なって見え、聞こえてしまう。同じ世界に住んでいながら、まるで異なる世界に生きているよう。
こんなときだからこそ、無理にでも笑顔を作って元気にあいさつをし、人間関係を円滑にしましょう。』
コロナは人の体に感染しますが、心には感染しません。
感染させるのはコロナではなく、人の心そのものです。

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※昨日の日付が間違っていました。

<SF小説:パラレルワールド

私は子どもの頃から「推理小説」と「SF小説」が好きで、かなり読み込みました。

また、歴史小説も好きで、幕末維新の日本を描いた司馬遼太郎の「龍馬が行く」「翔ぶが如く」も読みました。

「龍馬が行く」は、その題名の通り、坂本龍馬が主人公。3回読み直しました。

翔ぶが如く」は、西郷隆盛を中心とした物語です。

さて、その幕末の日本にタイムスリップした「Jin 仁」。

最終回に出てきた、パラレルワールド理論。

タイムマシンで過去や未来に移動する話は、あらゆるストーリーの展開を可能にします。しかしそこには大きな矛盾が存在します。

簡単な例を挙げます。

『A氏のもっている家宝の1千万円の壺を手に取って見ていたB氏。

手を滑らせて落としてしまいます。

B氏:うわっ。すみません!どうしよう…。

粉々になった壺を呆然と見つめるB氏。

すると持ち主のA氏。少しも慌てず

A氏:「大丈夫です。これからタイムマシンに乗って1分前の過去に戻ります。そしてあなたに壺を手渡さないようにしてきますから。」

B氏:「よかったぁ、これで私が壺を落とすことがなくなりますね!」

A氏:「そのとおり。それでは行ってきます。」

A氏がタイムマシンに乗り込んだのを見送って、目の前の壊れた壺が、いつ元通りになるのか期待していたB氏。しかし…。』

もうこれだけで、過去に戻って歴史を変えることは不可能なことがわかります。

一旦壊れた壺が目の前で、いつ、どのタイミングで、どうやって元に戻るのか?

起きてしまった事実を変えることは不可能なのです。

これは視点の違いです。過去に戻ったA氏の視点で話を進めれば、とてもおもしろい話ができますが、残されたB氏の視点で見れば、自分が壊した壺の破片がそこにあるだけ。何も変わらない。そして過去に戻ったA氏は、二度と戻ってこない。

つまり、A氏が1分前に戻った世界は「1分後に壺が割れる事実のない別の過去」だということです。

これがパラレルワールド理論です。SF小説はおもしろいですよ。
※Back to the Future という映画は、パラレルワールドをうまく活用した、良くできた映画です。

 

 

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「仁Jin」再放送終了

3日は記事を書いたのに出し忘れました。

「仁Jin」の再放送が終了しました。2回目なのに号泣。

「あきらめなければ、新しい未来を創れる。」そんなメッセージを受け取りました。

素晴らしい本も、ドラマも、映画も、見たり読んだりする時期や年齢で感じることが違ってくるからおもしろいです。

パチンコに行っている人たちも、土日は家で、仁を見ればよかったのに。

ところで、2月に4本分撮影を終えていた「おもてなし英語in Narita」第2回が明日5/4(月)11時から成田ケーブルテレビで始まります。1月に1本ペースで公開していきます。

YouTubeでの放映は5/1から始まっていて、今回は元サッカーJリーガーの船山選手の巻です。彼は現在、成田ボンベルタ屋上で「FUNAJUKUサッカースクール」を運営されています。

「みんなの英プリ」にも動画リンクがされていますが、「Stay Home」の今、兄弟や親子のみなさんで、実際に活用してほしいです。台本もついているので。

その様子をビデオにとって「みんなの英プリ」で限定公開したら、少しくらいは「Stay Home」の役に立たないだろうか。

でも、歌や踊りなら可能性はあるかもしれませんが、英会話ではちょっと厳しいか…。

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<がんばれM君!>

ロンドンにいる教え子M君から3日前にメールが届きました。

父親の仕事の関係で今年になって家族でイギリスに渡ったのです。

渡英して間もなく新型コロナ感染でロックダウンが行われたイギリスの現在や、日常生活についての連絡もしてくれました。

本人のメールの一部を紹介します。
『こちらでは、コロナウイルスに対して日本より厳しく外出が制限されています。ソーシャルディスタンスといって、外に出たら他の人とは2m絶対にあけなければいけないというのもあります。(中略)
勉強では、僕の学校ではオンライン授業が1週間前ぐらいから始まっていて、その点で日本の学校より進んでいるなと思ったりもします。課題などもたんまりと出されるので、あまり勉強に関しての不自由はないです。(中略)
眞野先生が、毎日出してくれて、丸つけもしてくれた英プリが、今たくさんの人が見られるようになっているのは、嬉しいしすごいなと思います。弟に英プリをやらせようと思います。』

コロナが猛威を振るうヨーロッパからの近況報告はうれしいものですが、同時に本当に心配でもあります。

渡英が決まった時には「楽しみです」と言っていた彼ですが、渡英そうそうにロックダウン。いろいろな思いはあるでしょうに、目的を見失わずにロンドンで我慢の生活を続けています。

『僕は大学で英語を勉強して、英語を使える仕事につきたいなと思っています。(中略)最後になりましたが、眞野先生の色々な活動を応援しています。お体に気をつけて頑張ってください。僕も頑張ります。』

16歳とは思えないしっかりと目標を見据えた考え方に、逆に学ばされます。一回り大きくなって無事に日本に戻ってきてほしいです。がんばれM君、私も応援しているぞ!

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<外国人留学生も死活問題>
コロナ問題は外国人留学生の生活も直撃しています。

日本語学校や専門学校での授業が受けられないまま、むなしく月日が流れています。高い家賃(普通は4人くらいでアパートを借りてシェア)や食費を払い続けるためには、週28時間を上限とするアルバイトが命綱でした。

しかし、このコロナのせいでアルバイトが0になり、貯金も底をついてきた学生が出ています。

「生活の維持ができなければ帰国すればいい。」

ところが飛行機が飛んでいません。帰れないのです。

日本に来るために借金をしてきた彼らには、国元からの仕送りをあてにはできません。
しかも日本の物価はアジア諸国に比べたら非常に高い。

今日も、相談を受けた外国人留学生とその学校の先生と一緒に市の福祉課に相談に行きました。先生方も留学生を救うために飛び回っていらっしゃいます。

その彼は、諸般の事情で留学ビザが失効し、4月から短期ビザに切り替わりました。

この2つのビザの差についての説明は省きますが、要するに短期ビザはすぐに帰国することが前提なので、住民登録ができないのです。簡単に言うと旅行者です。

ここで問題なことは、政府の支援も成田市の支援も4月末の段階で住民登録のある人が対象なので、一切の支給を受けられないことにあります。

住民ではないので、生活保護も受けられない。

3月にさかのぼってくれれば、住民登録があるので、生きるためのお金がもらえるのに。
私も総務省出入国在留管理庁、東京にある外国人移住者支援組織(移住連やCTIC)などに相談をしましたが、コロナで帰国できなくなってしまった外国人を援助する仕組みがなく(想定外)、今、国会に要望しているところだそうです。

コンビニや工事現場、そして自転車に乗って走っている外国人留学生が、実は相当高いハードルを越えて日本に来て学びにきていることを知ってほしいです。

私は彼に質問しました。「ご飯はちゃんと食べているのかい?」「最近では1日1食です」との答え。先日は川で釣った魚を調理して食べたそうです。

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<様子見は、結局学生のためにならない>

5月にコロナが終息したとして、失われた3,4,5月分の学習内容をどうやって補うのでしょうか?

『夏休みを削って教育課程を修了させる』という考えが各地区の教育委員会から出ていますが、さすがにこれは暴論です。

3月末からの実質2ヶ月半の内容を、夏休みを削ることで補えるわけがないではありませんか。

もし形だけ教科書を進めるとしたら、これはもう完全に、学習に時間のかかる子どもの切り捨てが前提です。

そうならないためには、今から教育課程の見直しや教科書の作り直しが必要になります。

でもその新しい教育課程のスタートの基準日をいつにするのでしょう。

学校再開の時期が延びるたびに学習内容が減っていくような教育には限界があります。

こうしてズルズル決定を先延ばししているうちに、また冬がやってきます。

そして最大の問題、入学試験があります。2つの大きな問題があります。

①試験範囲はいつ確定するのか

②受験をどういった形でおこなうのか

特に②の問題は深刻です。だって日本の入試は1~2月に集中するのですから。

コロナが終息していればいいのですが、そうでない場合、インフルエンザも加わった環境の、3密の教室で入試を受けることは、ちょっと考えられません。

2月の寒さに耐え、たとえ雪が教室に舞い込んでも、窓を開け放って受験をしますか?

コロナのついでに教育制度改革は乱暴だ、もっと丁寧な議論と準備を、という人もいますが、逆に今、有効な対策がないとしたら、思い切った改革をして学生を救うしかありません。

最後にもう一つ。

大学生の、特に短大生の卒業認定についての議論が始まっている気配がありません。

保育・教育実習が重要な単位認定になる学生達をどうしますか?

 

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<私は9月入学に賛成です>

国会では9月入学の議論が熱を帯びてきました。

元教師として、私はこの案に賛成します。

おそらくまだ誰も論じていない観点から書きます。

まず、厚生労働省健康局結核感染症課の国立感染症研究所のデータを紹介します。

昨年9月から今年2月23日までのインフルエンザによる休校、学年閉鎖、学級閉鎖の累計です。
『休校・学年・学級閉鎖数25,378。欠席者数301,715人。』

感染した生徒は1週間程度の欠席になり、学級・学年閉鎖が発生したときには、運が悪いと10日前後欠席することになります。

生徒、保護者、教師にとって、入試が真冬に行われることは本当に負担な事です。どれだけ注意してもインフルエンザにかかってしまう子はいます。

そこに新型コロナウイルスが加わります。

もし仮に新型コロナウイルスが5,6月で収束したとして、このウイルスは2020年の冬に静かにしているのでしょうか。

一旦終息したかに見えても、冬に再び流行する可能性があることは多くの専門家が指摘しています。

インフルエンザの上に、新型コロナです(この2つのウイルスは別物なので、片方にかかったからと言って、もう片方にかからないということはありません)。

子どもの感染例が極めて低いとはいえ、社会全体に再び自粛要請がかかれば、学校の休校も行われます。その時受験生はどうしますか?激震が走ります。

高校入試はもとより大学入試ができるでしょうか。

令和2年度の大学センター試験受験者は527,072人です。

受験生だけではありません。再び休校となれば、普通の学生達も学ぶべき事が学べないまま進級してしまうのです。

学校教育の崩壊です。

いつ収束するかわからない新型コロナ対応に追われるよりも、9月入学に切り替えて、新しい教育システムについて準備した方がいいと思います。

すべき第1のことは、教師のICT教育の理論学習とタブレット等の活用方法の研修です。同時に、各家庭1台のタブレット端末整備事業も始める。

緒論あるでしょうが、私は「こどもの教育」という観点から、思い切って制度を変えるべきだと思います。