更新時刻 23:55
突然ですが、私が玉造中学校で勤務していた時に一緒に働いた、ALTのRayの話を紹介します。わずか半年あまりでU.S.Aに戻ってしまいましたが、なかなか個性的なアメリカ人でした。
そんな彼が「ぼうず」に残したメッセージを紹介します。
この“ Sharing ideas ” という考え方が、どうにも日本人にはうまくできません。自分の意見を言うことを遠慮し、周りの気配ばかりを気にしてしまうという傾向が非常に強い民族です。だから、みんなと同じ言動をとってしまう。こういった民族性を、ALTたちは歯がゆく感じることがあるのです。
「なぜもっと、自分の考えを表に出さないんだろう。」
ところで最近こんな言葉をよく聞きます。
「怒らず、ほめてのばす」
「他との比較をしないで、その子の頑張りを認めてある」
これらの考え方は、間違いなく正しい。
しかし、「ほめる」ことと「おだてる」ことは違います。
時にはビシッと叱り飛ばし、他の人との比較も必要です。だって、他の人との比較がなければ、つまりライバルがいなければ、人は成長しませんから。
しかしこれらに関する本が出版されたりすると、日本人はすぐに「そうか、怒ってはいけないんだ」「他の人や兄弟との比較はいけないんだ」と思い込み、これまでの(昭和的)考え方を全否定してしまう傾向にあります。
“ Sharing ideas ” という考え方は、色々な考え方のそれぞれの良さを認め合おうというものです。これを、ALTの先生方は日本の子供たち、そして日本人英語教師に伝えたがっているのです。
最後に、サンバレーインターナショナルスクール園長 横田 綾子 先生のお話を紹介して今日のぼうずの締めくくりにします。
最近日本では、生き方やものの考え方の「多様性」が叫ばれていますが、日本社会には、答えを一つにしたがる傾向があるので、「多様性社会だから、他と違わなくてはいけない、同じではだめだ」となってしまわないか危惧します。
多様性とは今までのものを否定するのではなく、「選択肢がもっと増えること」と捉えたら良いのではないでしょうか。「同じでもいいし、違ってもよい」と。
答えを一つだけに限定しない「様々な違いも肯定される優しい社会」。そんな、社会の実現を私は「多様性」に期待しています。
サンバレーインターナショナルスクール
園長 横田 綾子