1年ぼうず

眞野 義行

 cres.mano0505@gmail.com

 TEL:090-9364-7172

 更新時刻 23:55

 f:id:crescentmano:20190427211354j:plain

 f:id:crescentmano:20190427225614j:plain

 突然ですが、私が玉造中学校で勤務していた時に一緒に働いた、ALTのRayの話を紹介します。わずか半年あまりでU.S.Aに戻ってしまいましたが、なかなか個性的なアメリカ人でした。

 そんな彼が「ぼうず」に残したメッセージを紹介します。

   I wanted to become an ALT in Japan because of the opportunity to share knowledge and life experiences with the young people in Japan. I feel that it is very important for the future of Japan that young people learn to value difference and express themselves more freely.    I wanted the opportunity to show that difference is not to be feared, but valued and cherished.   English is very important as a global language, but having an open and accepting mind to difference is just as important and I value sharing this with my students. You are the future!!

 

 私が日本でALTになりたかった理由は、日本の若い人たちと知識や人生の経験を共有する機会を持ちたかったからです。私はこう感じています。日本の若い人たちは、お互いの意見を遠慮なく言い合い、その相違や表現の違いを認め合うようにした方がいいと。それが、日本の将来にとってとても大切なことなんだと。また私は、次のことを伝える機会も持ちたかったのです。「他と違う」ということは恐れることではなく、むしろ、尊重し大切にすべきものなんだと。英語は、世界共通言語としてとても大切なものではありますが、それよりも英語学習を通して「他と違う」ということを広い心で受け入れるという考え方も同じくらい大切です。そして私はこの考えを生徒の皆さんと分かち合いたいです。未来を作るのは君たちだからです!

  この“ Sharing ideas ” という考え方が、どうにも日本人にはうまくできません。自分の意見を言うことを遠慮し、周りの気配ばかりを気にしてしまうという傾向が非常に強い民族です。だから、みんなと同じ言動をとってしまう。こういった民族性を、ALTたちは歯がゆく感じることがあるのです。

「なぜもっと、自分の考えを表に出さないんだろう。」

 ところで最近こんな言葉をよく聞きます。

「怒らず、ほめてのばす」

「他との比較をしないで、その子の頑張りを認めてある」

 これらの考え方は、間違いなく正しい。

 しかし、「ほめる」ことと「おだてる」ことは違います。

 時にはビシッと叱り飛ばし、他の人との比較も必要です。だって、他の人との比較がなければ、つまりライバルがいなければ、人は成長しませんから。

 しかしこれらに関する本が出版されたりすると、日本人はすぐに「そうか、怒ってはいけないんだ」「他の人や兄弟との比較はいけないんだ」と思い込み、これまでの(昭和的)考え方を全否定してしまう傾向にあります。

 “ Sharing ideas ” という考え方は、色々な考え方のそれぞれの良さを認め合おうというものです。これを、ALTの先生方は日本の子供たち、そして日本人英語教師に伝えたがっているのです。

 最後に、サンバレーインターナショナルスクール園長 横田 綾子 先生のお話を紹介して今日のぼうずの締めくくりにします。

 最近日本では、生き方やものの考え方の「多様性」が叫ばれていますが、日本社会には、答えを一つにしたがる傾向があるので、「多様性社会だから、他と違わなくてはいけない、同じではだめだ」となってしまわないか危惧します。

 多様性とは今までのものを否定するのではなく、「選択肢がもっと増えること」と捉えたら良いのではないでしょうか。「同じでもいいし、違ってもよい」と。

 答えを一つだけに限定しない「様々な違いも肯定される優しい社会」。そんな、社会の実現を私は「多様性」に期待しています。

             サンバレーインターナショナルスクール

                       園長 横田 綾子

 f:id:crescentmano:20190427225957j:plain