1年ぼうず

眞野 義行

 cres.mano0505@gmail.com

 TEL:090-9364-7172

  更新時間 23:55

 f:id:crescentmano:20190428234247j:plain

  [ 自分の考えを言う ]

 下の文は、読売新聞の読者投稿欄に載ったものです。

日本とドイツ考え方に違い      高校生 ノーラ・ブームライン

 日本にいた間、私は日本人の学生にドイツのことについてたくさん聞かれました。「ドイツではどんなスポーツが一番人気ですか」「ドイツ人はみんな銃器を持っていますか」「ドイツの食べ物の間では何が一番有名ですか」―など。その質問に答えることは簡単ですが、ちょっとつまらなかったです。

 私がドイツへ帰ってから、ドイツの高校1年生に日本のことについて質問されました。

「日本の教育システムは本当にそんなに厳しいですか」「日本の学生はその教育システムが変わってほしいですか」「日本人は小さな家に住んでいるので、けんかは多いですか」など。とてもおもしろい質問だと私は思います。

 日本の学生は先生の質問に長い答えをしません。ドイツでは自分の考えを全部出さなければなりません。そしてテストでも一つの言葉で答えることはだめです。

 日本とドイツの学生の考え方はずいぶん違うと思いませんか。

 みなさんはこの記事を読んでどう思いますか。もしチャンスがあれば、仲間と意見の共有(Sharing Ideas)をしてほしいです。 

 ちなみにこの記事が書かれたのは、25年前の1994年です。

 話は変わりますが、民主主義の根幹をなすものは、何でしょう。

 それは、みんなが自由に自分の意見を述べ合うことですよね。その色々な意見を調整するために「議会」というものが存在するのです。

 その「議会」の場で、みんなが意見を言わず、まわりの様子をうかがっていたのでは、何も決まりません。最悪の場合、ある一人や一部の勢力の考えで結論が導かれてしまいます。そうなると、議会制民主主義は崩壊します。

 もちろん、何かしらの考えがあって、あえて沈黙を守ることはあります。作戦や駆け引きとして。

 でも、いつもそれではしょうがない。

 日本人は、だまって素直に言うことを聞く人のことが好きですが、欧米人はあまり好きではありません。場合によっては、この人は何を考えているんだろう、と敬遠される場合すらあります。

 誤解があっては困るので、確認します。

 素直に言うことをきくことは大切なことです。そういう場面が多いほうがいいに決まっています。でも、時には「はい」「いいえ」だけでなく、しっかり自分の考えを述べることが必要だという意味です。

 下の衝撃の写真。私にも若い頃があったという証拠の写真です。今から30年前の、まだ劣化する前の。

 左側の青年は、オーストラリアから来たALTのカーリンです。この写真は、彼の故郷オーブリーを訪れた時のものです。

f:id:crescentmano:20190428232423j:plain

 彼の家族の家に滞在して、妹さんの学校を見学したり、バーベキューをしたり、スキーに行ったりなどなど、本当に今でも楽しい思い出がよみがえてきます。特にお父さんが非常に前向きな性格で、とても楽しかったです。

 さて、その滞在中に彼に聞いたことが次のことです。

「日本人についてどう思う?」

 彼は一言いいました。

 “ Sitting o the fence.” 「日和見」という意味です。

 つまり、日本人は、自分の考えを言わず様子を眺めているだけ。

 この時の、彼のこの表現は、私にとって非常に衝撃的なものでした。  つづく。

 

f:id:crescentmano:20190428234854j:plain