1年ぼうず

眞野 義行

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<日本の公立学校をみくびっては困る>

賛否両論真っ二つに意見が分かれているこの問題。現場の教師が声を上げられない分、私がはっきり言います。

私はこの突然の休校要請には反対です。

親の立場からではなく、児童生徒や学校の立場からにしぼって述べます。

今まで政府の現場丸投げの自治体任せの中、現場の教師達は、養護教員を始め全力を尽くして感染防止につとめてきました。

詳細をここに書くことはできませんが、成田市の教育長・校長会そしてなにより現場の教師たちは、ここまで慎重な議論を積み重ね、休校せずに児童生徒を気持ちよく卒業させたいとがんばってきました。

とくに中学校では3月2日に最後のチャンスの公立後期入試を控えています。

前期選抜で不合格になり、クラスの2/3が進路が決まっている中、プレッシャーに耐え、受験勉強を続けてきたのです。千葉県の入試システムが悪いのですが(今年でようやく終る)、これを経験した生徒や保護者そして何より教師にはわかります。本当につらい。

そのタイミングでよくぞこんなことをやってくれたなぁ、という思いです。まぁ、千葉のタイミングが悪いということでしょうが。

政府は、せめて1週間くらい前からでも、こういう事態の可能性を示唆するべきです。そうすれば心の準備ができる。文科省はまたもや何をやっている!

さて成田市は、高校入試のある3月2日と全員がそろう3月3日を準備期間として登校日にしました。その後、3月13日までを休校措置にしました。これは、現在考えられる最善手だと思います。卒業式は卒業生と保護者のみで行います。

でも当初は、休校措置をするつもりはありませんでした。しかしながら、もし万が一感染者がでた場合、学校や市がマスコミや保護者からのバッシングに耐えられるわけはないのです。

ところで、これを読む皆さんは不思議に思ったことはありませんか?
アメリカでは猛威をふるっていると報道される、インフルエンザはどこに行ってしまったのだろう?

ここに、政府もマスコミも一切ふれないデータがあります。

厚生労働省健康局結核感染症課の国立感染症研究所の信頼できるデータです。

この秋から冬にかけての保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校におけるインフルエンザ発生報告です。

2019年9月から2020年2月23日までの第25週までのインフルエンザによる休校、学年閉鎖、学級閉鎖の累計と同時期の1年前のものとの比較です。

       休校・学年・学年閉鎖数 欠席者数
2018.9―2019.2 31,452         410,009
2019.9―2020.2 25,378         301,715

見事にインフルエンザの封じ込めに成功しています。私はこのデータは、コロナウイルス対策の学校現場での感染症予防対策が功を奏している表れだと思います。だって9月から10月の段階では例年の6倍の感染率で、今年は猛威をふるうだろうという予測だったのです。

もちろんインフルエンザは毎年同じ様相を呈するわけではありませんから、一概に学校現場のがんばりだとは言えませんが、私が知っている範囲の学校教職員は、児童生徒達を感染から守るために最大限の努力をしています。

マスコミがあまりにも不安をあおるし、実際に感染した児童や教員まででたとなると、学校はまさにウイルスや細菌の巣窟のような印象を与え、保護者や一般の方々に不安を与えます。私も元教員でなければ、学校にこどもを行かせることは不安に感じるに違いありません。

しかし実際の学校では、本当に神経質に「手洗い」「うがい」「換気」の3つを行って、児童生徒を感染させない努力をしているのです。従わない生徒もいますが。

学校現場から言わせてもらうと、家庭に戻って自由に行動できる時間が増える一斉休校は、感染のリスクを増やすだけです。

日本の公立学校の感染症対策には、すばらしいものがあります。

学校できちんと教職員が健康管理していた方が、はるかにリスクは下がります。

私は、政府に問いたいですが、自宅学習になったからといって春休みまで家でじっとしている児童生徒がどれくらいいると思っているのですか?

中学生は無理ですよ。まして高校生が3週間外出を控え自宅学習?ありえません。

塾はどうするの?映画館は?ゲームセンターやショッピングモールは?

わざわざ、電車やバスに乗って移動する機会を増やすのです。

感染は飛沫感染より、手からの感染が圧倒的に多いのです。

そんな中、ディズニーランドは英断をくだしたと思います。日本中のアミューズメントパークが一斉に同様の措置を行うなら、一定の効果が見込めると思います。

カラオケ、ゲーセン、ボーリング場などなど、小中高校生は入場お断りという徹底的な政府指導があるなら(中国や韓国のような街ごと封鎖)いいですが、この場合取り返しのつかない経済的損失を被ります。

パンデミックを防ぐという観点から、一斉封じ込めは有効ですが、あまりにも突然かつ受け皿の準備がない。

なぜもっと学校現場の状況を見ないのか?電話1本ですむことです。

事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こっているのです。