1年ぼうず

眞野 義行

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<少年院教育>
今から約30年前、私が教員時代に生徒指導を担当しているときに、八街市の初等・中等少年院を訪れたことがあります。

まるで軍隊のような生活で、起きてから寝るまで厳しい規律の中で生活をしていました。

そしてこの規律こそが、少年達にルールを教え、彼らを当たり前の人間生活に戻すためのだいじな過程であるという説明を受けました。

殺人以外の凶悪な犯罪に手を染めた少年達が集まる中等少年院では、最初からこの規律に従えない少年も多く、独房で過ごすこともよくあることでした。

八街少年院では、矯正教育の一環として正座をして壁に向かって1時間を過ごす「内省」という時間が設けられており、その上で「詩」を書くことが義務づけられていました。

『八街少年院 生活詩集 若い木の詩』には、少年達の生い立ちやこれから更生して社会でがんばるという決意があふれており、一気に読み終えることができるほど、感動的な詩集です。

しかしながら現実はそれほど甘くなく、再犯率は当時で45%。現在も同じくらいで推移しています。

それは生育歴の問題なのか発達障害系の脳の問題なのか、専門家にも判断ができないときがあります。

矯正不可能な少年がいることはまぎれもない事実です。

したがって、加害者の更生を強調し被害者の事を置きざりにするかのような日本の少年法は、まだまだ改善されるべきだと思います。

でも逆に言えば、50%以上が更生していくということです。

少年院の法務教官たちの厳しさの中にある優しさが、少年達の心にしみていくのだと思います。

私は少年犯罪の厳罰化や年齢引き下げには賛成ですが、この記事のように、罰金や執行猶予付き判決が出てそのまま身柄が解かれることが起こるとしたら、とんでもない事です。

担当者の「信頼関係をベースに育てる少年院のやり方を、なるべく生かしたい」という方針がしっかりと盛り込まれることを期待します。