1年ぼうず

眞野 義行

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 午前中は、橋賀台にある成田日本語学校をお邪魔して、授業を見学させていただきました。最初に見学したのは最上級のクラス。少人数で行われている授業は雰囲気がよく、日本人講師を日本語でからかおうとする女生徒もいて、私も思わず一緒に笑ってしまいました。今日の授業で扱った表現は、「〜せざるをえない」という言いまわし。えっ難しい!と思ってしまいました。しかし、彼らはこの表現に果敢に挑み、文を作っていました。前半の日本文の後に「〜せざるをえない」の文を作って完成させていくのです。いくつか例を紹介します。
 1つ目のお題。『お金がないので、○○○をえない。』
まず、普通の答え。「お金がないので、働かざるをえない。」素晴らしい!ちゃんと意味を理解しています。次の答え。「お金がないので、銀行強盗せざるをえない。」あはははは。大笑い。意味を理解しているけど、ちょっと…。
 次のお題は、『時間がないので○○○をえない。』
「時間がないので、旅行をやめざるをえない。」なるほど。次の答え。「時間がないので、家を建てるのを、簡単にせざるをえない(手抜き工事だ!危ない、危ない)。」
 その他にも「ハンサムじゃないので、病院に行かざるを得ない(美容整形?)」。とか、とにかく問題の設定もおもしろいけれど、珍解答が多くて笑えました。
 次のクラスは25人くらいのクラスで、本当に様々な国から集まっている留学生たちでした。私が「こんにちは」と言うと皆さん、笑顔で「こんにちは」と返してくれます。学習内容は、外国人が最も困る、日本語の助詞です。「階段の下に」と「階段の下で」に続く動詞を言おう、という問題。これも難しい。

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 現在この学校には、約350名の留学生が日本語の勉強をしています。その生徒さんで一番多いのが、モンゴル人。そしてベトナム人、タイ人など近隣アジア諸国からやってくる学生たちが大半を占めています。全員が日本の大学や専門学校への進学を希望する人達です。そして彼らはみな、優秀です。なにが優秀かというと、向学心に燃えているからです。しかも、保護者に経済力がある
 しかし現実は、そういった若者ばかりが日本にやってくるわけではありません。色々な経済事情を抱えてやってくる外国人の子ども達を、日本で育てていく発想は、これから絶対に必要になっていきます。
 インターナショナルスクールは学校教育法の規定により、児童生徒が義務教育を受けるための小・中学校として認められていません。したがって、その後の進学や就職にも支障が出る可能性があるという課題があります。しかし、このインターナショナルスクールをつくるという発想は、近い将来貴重な日本の若い労働力となる外国人の子ども達に、きちんと日本語の読み書きを教え、文化を教えていくことに主眼を置いています。
 授業見学の後、横田校長先生と色々なお話をしましたが、話題はズバリ「インターナショナルスクールは成田に必要か?」です。横田校長先生は即座に答えてくださいました。「絶対に必要な施設です。でも今の日本では、インターナショナルスクールにおいては、就学した児童生徒は義務教育を受けたとはみなされませんから、その法律の壁を壊すのは容易ではありません。でも先生がそのために活動をするというのなら、協力します。」素晴らしい勇気をいただきました。

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